『ゴルバチョフの嘘』
〔アマゾンへ注文〕
─────────────────────────────────
〔副題〕 ソ連は野望を捨てていない!
〔著者〕 中川八洋
〔シリーズ〕 -
〔出版社〕 ネスコ(NESCO;日本映像出版株式会社)/発行、文藝春秋/発売
〔発行年〕 1987-11-12
〔ページ〕 236頁
〔ISBN等〕 4-89036-722-5
〔価格〕 定価1200円
〔箱・帯〕 箱:なし 帯:あり
〔体裁〕 四六判 19.5cm×13.7cm
ハードカバー
〔図表〕 あり
〔注記〕
・装幀;倉田明典
・地図;高野橋 康
・標題ウラに、以下の言葉を掲載。
《資本主義諸国の経済人は/自分の首をしめる縄を編んでもってくる/”役に立つ白痴”である
レーニン 》
〔分類〕 図書
〔備考〕 -
─────────────────────────────────
目次
─────────────────────────────────
まえがき 3
目次 8
一部 嘘と軍事力しかない国・ソ連 13
第一章 天才的宣伝家ゴルバチョフ 15
一節 グラースノスチなき”人民の牢獄・ソ連” 17
二節 ペレストロイカの目的は90年代の大軍拡 25
三節 ”西側だましのテクニック”の最高傑作──レーニンのネップ 33
四節 「自由化」~「反自由化」のサイクルがソ連の一党独裁を強化する 39
第二章 ソ連は、平和共存もデタントも望まない 47
一節 ゴルバチョフが日ソ関係「改善」で狙うもの 49
二節 ソ連語とロシア語は違う 56
三節 平和共存とは、西側がソ連の膨張を黙過することである 67
第三章 日本は、ソ連の「役に立つ白痴」 75
一節 NHKを操るKGB第二総局 76
二節 ソ連大使館は対日謀略の前進基地である 84
三節 尾崎秀実とアルジャー・ヒス 90
第四章 INF”ダブル・ゼロ”合意で世界平和は遠のく 101
一節 米・欧分断に笑いのとまらぬソ連 102
二節 ソ連にとって軍縮は、軍事優位確保の手段である 107
三節 西側の核抑止力つぶしが、ソ連の真の狙い 113
四節 軍縮プロパガンダは、安あがりなソ連の虚像づくり 121
第五章 ソ連国民こそ、解放されなければならない 127
一節 国民に対して無制限に殺戮が実行される社会・ソ連 132
二節 党が独占し搾取する「反平等社会」ソ連 141
二部 ソ連「分割・解体」のすすめ 149
第六章 ソ連解体なしに世界平和はありえない 151
一節 「包囲」と「分断」──ヒトラーをしのぐゴルバチョフ 152
二節 ゴルバチョフのウラジオストック演説は、西太平洋攻略宣言 163
三節 ソ連が存在するかぎり、戦争は絶えない 176
第七章 ソ連解体の条約草案 183
一節 東欧に自由を、ウクライナに独立を 187
二節 沿海州を中国に、樺太を日本へ 196
三節 「分割・ソ連」こそ、理想的なソ連の国土 207
第八章 要塞日本の選択 217
一節 ソ連との経済交流は、全面禁止すべきである 219
二節 西側の核兵器は平和の天使 224
あとがき 233
─────────────────────────────────
著者略歴
─────────────────────────────────
著者紹介・中川八洋(なかがわやつひろ)
1945年生まれ。福岡県出身。筑波大学教授。東京大学で宇宙工学を専攻。のち、米国スタンフォード大学政治学科大学院にて、日本政治の比較研究をおこない、処女作『日本政治文化論』やベストセラーとなった『超先進国日本』を発表。1979年末のソ連軍のアフガニスタン侵攻をみて国際政治学に転向を決意。主に、軍備管理、戦略理論、国家安全保障政策、ソ連研究などを軸に正しい「平和学」の確立に取り組んでいる。『核軍縮と平和』『現代核戦略論』など多数の著作を発表。
─────────────────────────────────
所蔵
─────────────────────────────────
国立国会図書館 あり(請求記号:A99-R5-E2)
http://iss.ndl.go.jp/
都立中央図書館 あり(請求記号:3193/
112/ 87)
https://catalog.library.metro.tokyo.jp/winj/opac/search-detail.do?lang=ja
都立多摩図書館 なし
─────────────────────────────────
情報元
─────────────────────────────────
-
─────────────────────────────────
他文献
─────────────────────────────────
・書評:「ベストセラー解題──憂国の情 警世の書」、19880401『Voice』BUSINESS特集'88年春季増刊号、146~150頁
─────────────────────────────────
備考
─────────────────────────────────
・19920601『蘇えるロシア帝国』一七八~一八〇に、
《「世界平和の道は“ソ連封じ込め(containment)”では実現は無理であり、“ソ連解放(解体、liberation”)しかありえない」と主張したJ・バーナムなども同様で、“極端な思想”として排除された。
しかし、一九八九年に東欧、一九九一年にバルト三国がソ連邦から解放されて“ソ連解体”が始まったが、これこそはバーナムの名著『封じ込めか、解体か』(一九五二年)の主張の正しさが実証されたことではないか。
(中略)
なお、著者中川は、このバーナム理論の後継者の一人である。猛獣から襲われぬように猛獣の周辺でたき火をしているだけの、経局的で防勢的な“封じ込め”では根本的に世界平和の秩序は形成されないと考えてきた。この猛獣を小さな家畜〔小さな家畜に傍点あり〕に改造しない限り、平和の秩序は幻想であると考えてきた。
著者中川は、この「ソ連邦解体」論を一九八七年に発表したが、その発想は、第二次世界大戦中に米国の碩学と目されていた地政学のスパイクマン博士(エール大学教授)と、このバーナムの両名に大きく負っている。そのときの拙著のタイトルは出版社の都合で変更させられたが、「第II部 ソ連分割・解体のすすめ」がそれにあたる。》(19920601『蘇えるロシア帝国』178~180)とある。
なお、J・バーナム『封じ込めか、解体か』(一九五二年)とは、John Burnham, Containment or liberation, John Ray Company, 1952. のこと。
・19910412『ソ連が悪い』八~一〇頁に、
《ゴルバチョフが独裁者の顔をのぞかせ、彼自身がペレストロイカを理解しようとしているので、西側のマスコミやソ連専門家達は、右往左往し、狼狽している。西側の多くの人びとは、「ノーベル平和賞まで受賞したゴルバチョフがなぜ?」と、頭の中をただただ混乱させているばかりである。
だが、ペレストロイカ礼讃の大ブームに抗して、またゴルビーへのフィーバーの洪水に抗して、ゴルバチョフの非人間的な独裁者性とペレストロイカの本質的な欺瞞性を早くから純理論的に分析し解明していた見解が西側になかったわけではない。
その代表は、米国におけるZ論文であり、日本の『ゴルバチョフの嘘』(ネスコ刊)である。前者は一九八九年末に雑誌『ダイダロス』九〇年一月号に発表され、後者はそれよりもさらに二年も早い一九八七年秋に発表されていた。著者は、前者がカリフォルニア大学バークレー校歴史学教授マルチン・マリア博士であり、後者は私自身である。
・・・・・・
一方、一九八七年夏に私が執筆した『ゴルバチョフの嘘』は、ペレストロイカが必ず中途で中止されることをもっと鮮明な形で論じている。しかも、ゴルバチョフ自身がペレストロイカを必ず放棄するだろうと、三年半も前に、正確に予測していた。》『ソ連が悪い』8-10
・20090531『地政学の論理』五四頁に、
《ところで私事だが、日本人で唯一例外的に、私は東欧解放とソ連邦の解体を提唱した(図8、一九八七年十一月刊、『ゴルバチョフの嘘』、注6)。この本は、三万部ほど売れて、それなりの人気を博したが、この提唱の部分だけは非現実的だと嘲笑された。だが、それからわずか二年後の一九八九年十一月の東欧解放と、四年後の一九九一年十二月末に起きたソ連帝国崩壊は、私の提唱とほぼ完全に一致した。ここで私は、自分の予見力を自慢しているのではない。マッキンダーを座右の書にしていると、このように国際情勢の近未来と平和構築の基本方法が正確かつ大胆に見えてくるので、読者諸兄に、「マッキンダーを学べ」と申し上げたいのである》とある。
なお、20130621『尖閣防衛戦争論』一一七頁に、
《マッキンダーの『デモクラシーの理想と現実』と拙著『地政学の論理』とは、中国の世界の海洋に対する覇権戦略を理解するうえで、精読を省いてはならない》
とある。
─────────────────────────────────
内容
─────────────────────────────────
-
─────────────────────────────────
更新履歴
─────────────────────────────────
2013-05-27
2013-08-03 情報を追加しました
2013-08-13 情報を追加しました