日本の組織とその経営
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〔サブタイトル〕 保障機構をめぐって
〔著者〕 中川八洋(なかがわ やつひろ 比較政治学)
〔シリーズ〕 特集 組織と経営I
〔該当頁〕 110~150頁
〔目次〕 

 

第一部 日本型経営の強さと弱さ
 一 「日本の会社」 111
 二 中国の下放を先取りした「労・学一体」の日本の伝統 114
 三 日本人の教育水準の高さと「平等」思想──日本の経営を支えたもの 117
 四 「下意上達」の意志決定 121
 五 人間関係に最大のエネルギーを使う日本人 125
 六 福祉団体化した日本の企業 127
 七 労働者優遇の経営の伝統 131
 
第二部 国家組織の成熟と企業経営
 八 国、金融界の多重庇護下の日本の企業 132
 九 国家の組織としての発展段階に関する覚書 138
 十 成熟国家・日本の組織 142
 十一 純政治システムとしての日本国家の組織──結びに代えて 146


〔図表〕 あり
〔注記〕 -
〔分類〕 論文
〔備考〕 -

 

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見出し
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 日本を取り囲む世界の経済情勢には、これまでも厳しいものがあった。今日の日本の輸出超過に対する米国やECの非難や、異常な円高等に匹敵するものはいくらでもあったのである。国内においても、安宅産業、興人あるいは毎日新聞社の倒産の例にみるように、高度成長期における安易な経営方法・体質とその構造等の問題を有している。しかし、これらの内外の悪条件にも拘らず、世界の市場への日本の商品の販路拡張は実に目ざましく、かつ驚異的ですらある。生産性も年々急上昇し、また技術革新を次々と展開してやまない。
 この故にか、日本の経営に対する各国の真剣な興味と関心は、近年とみに高まっており、これに刺激を受けてか今や日本の経営の見直しが流行となってきている。
 だが、日本の、これまでの奇跡と言われた高度成長の経済的発展は、独り日本企業の経営そのものによるものであることを否定するものではないが、大きくは日本の国家組織全体によって達成されたものであることを、まず認識しておく必要があろう。
 このような観点において、改めて日本の経営の長所と脆弱性との両面を洗い直すならば、日本の経営見直し論の流行もそれ相当の価値があるが、もしそうでなければ安易な自慰に陥るだろう。日本の経営は全知全能でもなければ、最善でもない。
 本稿では日本の企業等の組織体の経営(マネジメント)の基本的特性を概観し、次にそれと上位の組織体である国家との関係を明確にして日本の経営の一般的特徴を浮き彫りにし、これによって日本の組織の基本原理を少しでも明確にしたいと思う。

 

 

〔媒体名〕 『技術と経済』(12)129 1977年12月号
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〔副題〕 -
〔編集〕 科学技術と経済の会 企画部
〔シリーズ〕 -
〔出版社〕 科学技術と経済の会
〔発行年〕 1977-12-01
〔ページ〕 190頁
〔ISBN等〕 ISSN:0285-9912
〔価格〕 定価500円
〔体裁〕 A5判 21.0cm×14.8cm
〔注記〕 -

 

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所蔵
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国立国会図書館 あり(請求記号:Z14-576)
http://iss.ndl.go.jp/
都立中央図書館 なし
都立多摩図書館 なし

 

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情報元
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他文献
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備考
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・本号には、ほかに太田述正「マネジメント・コントロールの発展──アメリカ国防省における経営管理システムをめぐって」(76~109頁)所収。

 

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内容
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更新履歴
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2013-08-09


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