歴史教育再建への熱情

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〔サブタイトル〕 村上兵衛『歴史を忘れた日本人』繁栄の行きつく先(サイマル出版会・1,300円)
〔著者〕 中川八洋
〔シリーズ〕 今週の三冊
〔該当頁〕 112頁
〔目次〕  
野崎六助「アフリカ問題入門サスペンス」──センベーヌ・ウスマン、片岡幸彦・下田文子/訳『帝国の最後の男』(新評論・2,000円)
三輪妙子「様変わり下の思考と試行」──荒このみ『女のアメリカ』花伝社・1,800円) 

〔図表〕 表紙写真
〔注記〕 -
〔分類〕 書評
〔備考〕 - 


〔媒体名〕 『サンデー毎日』1988年3月6日号(67巻10号 通巻3675号)  
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〔特集〕 大特集 いま株が気になる「春相場」はこうなる!
〔出版社〕 毎日新聞社
〔発行年〕 1988-03-06
〔ページ〕 184頁
〔ISBN等〕 ISSN: 
〔価格〕 定価250円
〔体裁〕 B5判 25.7cm×18.2cm
〔注記〕 グラビア 梅田香子+「女の風景」富田靖子

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所蔵
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国立国会図書館 あり(Z23-365)
都立中央図書館 あり(請求記号:/サンテマイニチ )
都立多摩図書館 あり(請求記号:サンテマイニチ/ )

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情報元
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・大宅壮一文庫雑誌記事索引CD-ROM 1988-2008

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他文献
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備考
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内容
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《日本の社会や思考行動を温かく批評する著者の優しいまなざしがいたる所に感じられる、久々の日本論のすばらしいエッセー集である。

それでいて、「なんとなく今日のような明日(の日本)がつづく」と考える日本人に「それは戦後四十年おおむね順調で平和な発展の日々がつづいた日本という国に住んだ人間の、おそらく幻想にすぎない」と、憂えの感情を抑えて静かにまた軽やかに警告することを忘れない。

いやむしろ、著者がこのような二一世紀を展望する豊かな感受性に裏付けられた歴史観に立脚しているがために、その日本の政治社会や文化を鋭くえぐることができたのだろう。

特に、「私たちの父祖は戦争にあっては血を流し、平和なときには汗を流して、今日の大国を築いてきた」のであり、歴史教育の中で戦争を無視してはならないと指摘する、日本の歴史教育再建への著者の熱情にはずしりと重い説得力がある。

ともあれ、“新人類”といわれる現代の日本の若者のテーブルマナーや非行の生態についても、ハッとしたり、ドキッとしたりする貴重な問題にも触れていて、楽しく読めて役に立つ本である。》

(以上、引用おわり) 

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更新履歴
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2015-01-26